-tonesでお勧めしている呼吸について-
大気中に存在する酸素を全細胞に運搬し、
細胞が産出した二酸化炭素を再び大気中に返す生体機能です。
これは生命を支える根本的な機能で、呼吸停止が生命の停止を意味します。
呼吸には、
胸部呼吸筋、
横隔膜、
腹部呼吸筋
の三群の筋肉が用いられます。
肺を拡大縮小させることによって、酸素と二酸化炭素の交換が行なわれるのですが、
完全な呼吸とは、肺を最大限に広げて酸素を最大限に摂取し、
その摂取した酸素を肺胞から血液に移行させ、
再び肺を最小まで縮小させるというものです。
有効な呼吸をするための重要な点は3つ。
第一に、無意識ではなく意識的に呼吸筋に指令を出すこと。
第二に、胸で吸って横隔膜で止めて腹で吐くこと。
第三に、この胸腹式横隔膜呼吸を空腹時に座位または仰位で行なうことです。
ほとんどの人は胸で吸って胸で吐くだけの呼吸を、
座位の姿勢をとることなく行なっているため、
十分な呼吸ができていません。
そこに喫煙が加わると、さらに低酸素状態を招きます。
浅い呼吸と喫煙によって、
生命は老化の速度を一気に加速し、その寿命を大幅に短縮します。
胸腹式横隔膜呼吸を習得し、それを日常生活の中で定期的に意識的に実践すれば、
浅い呼吸、すなわち不完全呼吸とその結果である低酸素状態から簡単に抜け出すことができます。
生命がたえず必要としているのは、栄養でも水でもなく酸素であり、
この酸素を最大限に摂取することこそが生命維持にとって最も重要な知恵となります。
(参考書籍 井上敬 『健康方程式365』 p.125 - 126)
-tones推奨 普段から鼻呼吸を意識する-
人間は鼻と口の両方で呼吸できるが、ほ乳動物は普通、鼻だけで呼吸する。
言葉を話す人間は、気管から口へ空気が出せるよう、気管が鼻だけでなく口ともつながっている。
このため口でも呼吸できるのである。
口呼吸を続けているとどうなるのか
鼻から吸った空気は鼻腔(びくう)を通る間に浄化、加湿され、肺が酸素を吸収しやすい形で
送り込まれるのに対し、本来呼吸器官でない口で吸った空気は、空気中に漂う細菌やウイルス
などの有害物質がろ過されないまま、直接、体に取り込まれてしまう。
こうした有害物質が「鼻の奥にあるリンパ組織の集まりで、白血球を作る扁桃(へんとう)などを
直撃、免疫力の低下を招く」と解説するのは、東京大学医学部の西原克成講師だ。
口呼吸が風邪や花粉症、アトピー性皮膚炎、ぜんそく、間質性肺炎など様々な病気を引き
起こしているといい、実際、東大病院では鼻呼吸を取り入れてそうした患者を治療してきた。
口呼吸で常に口を開けていると、口の周囲が緩んで舌が気道をふさぐようになり、
睡眠時に呼吸が止まったり、昼間、突然激しい眠気に襲われる睡眠時無呼吸症候群の原因
になることも知られている。
口内が乾燥し、歯ぐきが傷つきやすくなるため、歯周病にかかりやすい、と指摘する歯科医もいる。
なぜ日本人は口呼吸が多いのか
実は、口呼吸する癖があると自覚している人は少ない。
日本人の大半は口呼吸しているという。
欧米では3、4歳まで使わせる事も多い赤ちゃんのおしゃぶりを日本では1歳前後で止めてしまう。
「鼻呼吸の訓練にもなるおしゃぶりを早くに取り上げてしまうことが、鼻呼吸が身につかない原因」
(西原講師)との説もある。
鼻呼吸を身につける方法とは
では、普段、口呼吸している人が、自然な鼻呼吸を身につけるにはどうしたらいいか。
昼間は意識して口を閉じ、鼻だけで呼吸するように心掛ければ良い。
背筋を伸ばし、胸を張り、肛門(こうもん)を締めるようにして腹式呼吸する。
睡眠時には、薬局などで売っている紙製の粘着テープを使う方法がある。
閉じた唇の上にテープを縦に1本、または逆「ハ」の字形に2本張る。
鼻呼吸しやすいよう、鼻孔や鼻腔を広げる市販の器具を使うのも効果的。
苦しい時、すぐはがせるよう、テープを横に張ったり、粘着力の強いテープを使うことは避ける。
(おすすめは、ニチバンの和紙サージカルテープ ネオバン®、コストや使い勝手、肌が荒れないなど
全てにおいて良好な商品)
マスクをぬるま湯などに浸したうえで適当なところで外側に折り返し、
鼻は出して口だけ覆って寝る、という方法もある。
鼻呼吸はお金も時間もかからない手軽な健康法。
体に不調を感じている人は早速試してみてはいかがだろうか。
(2001.3.17 日本経済新聞より引用)